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宮崎吾郎監督の初作品である「ゲド戦記」は、原作であるル=グウィンの同タイトル「ゲド戦記」の第三巻「さいはての島へ」をベースに描かれていますが、設定はいろいろと原作から変更されています。

ジブリ映画「ゲド戦記」のあらすじを振り返りながら、原作「ゲド戦記」との違いを見ていきましょう。

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ジブリ「ゲド戦記」のあらすじ

舞台はアースシー。この世界では全てのものに誠の名があるとされ、その名前を知ることでその物の存在を掴む事ができます。その力こそが魔法だとされています。

 

主人公はエンラッドの王子であるアレン。アレンは育った環境のせいか、生きることに目を背けた少年。父をナイフで刺して国を後にします。そんな時に知り合ったのがロークの大賢人であるハイタカ

 

2人は共に旅をするようになります。

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ポートタウンという街でアレンはテルーという少女に出会いますが、その後、ハイタカと同じく魔法使いのクモの手下であるウサギによって奴隷にされてしまうことに。

 

ハイタカはアレンを救い昔の馴染みであったテナーを尋ねます。そこでアレンはテルーと再会。テルーはアレンを毛嫌いするも、後にアレンの抱えているものを知り少しずつアレンに歩みよります。

 

そんな中で過去にハイタカに恨みを持つクモはテナーを人質にしてハイタカをおびき寄せます。一方、アレンは自分の影に脅かされながらもテナーのもとへ向かいますが、逆にクモの罠にかかり誠の名前を告げてしまう事に。

 

そんなアレンと対峙する事になったハイタカは身をもってアレンに命の尊さを告げてアレンは覚醒します。生きることに向き合う覚悟を決めたアレンは魔法の剣でクモを追いつめますが、助けに駆けつけたテルーをクモは人質にしてしまいます。

 

しかしそのテルーの誠の姿は竜であるテハヌー。テハヌーの炎によってクモは焼き払われ闇へと帰る事に。アレン達は朝焼けの中をテナーの家へ帰っていきます。

映画「ゲド戦記」の筆者の感想

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宮崎吾郎監督の初作品となった「ゲド戦記」。

 

賛否両論ありますが、私は良い作品だったと思います。ストーリーは確かに少し複雑ですが、理解すればかなり奥の深い物語だと思いますし、私は「全てのものに誠の名がある」という設定がとても良かったと思います。

 

ハイタカやテルーなど生きることについてのセリフがよく出て来ますが、一つ一つに重みがあって、シンプルなことだけどストレートに心へ響くものが多かったように思います。

 

また本作品がデビューとなった手嶌葵さんの「テルーの唄」もとても良かったです。この唄と作品が相まって、この映画「ゲド戦記」がさらに魅力的な作品へとなっているかと思います。テルーの唄を聞いてアレンが涙をこぼすシーンはとてもジーンと胸に響きました。見ていた私も思わず涙をこぼしそうになったくらいです。

 

この「ゲド戦記」、私にとっては時々なぜか無性に見たくなる作品の一つで、いろいろと否定的な評価もありますが、一つのアニメーション作品として良い出来だと思います。

原作である小説「ゲド戦記」について

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映画「ゲド戦記」には冒頭にも述べたようにル=グウィン氏の小説である「ゲド戦記」をベースにしています。

 

私は映画を見てから原作を読んだのですが、小説はまた映画と違ってアースシーという一つの世界のなかで、ゲドをめぐるさまざまな物語が綴られています。

 

全部で第六巻あるため、読み通すのに少し時間は要するものの、冒険ものなので割とスイスイと読めますし、映画よりもアースシーのさらに奥深い世界が楽しめますので、興味ある方にはぜひ読んでみられる事をお勧めします。

 

原作を知った上で映画を見ると、また違った視点で映画「ゲド戦記」を楽しむことが出来ると思います。

映画と原作との違いについて

本作品は原作をベースにはしているものの、当然原作のように長い物語を映画にするだけあって、映画にする上でかなり変更されています。

 

大まかな物語の進行は原作に沿っているものの、映画は主人公をエンラッドの王子アレンに、またヒロインはテルーという設定となっています。

 

これはやはりアレンとテルーという若い2人にスポットを当てた方がお客さんにもこの映画に入りこみやすいのではないかという監督の考え、また「テルーの唄」という素晴らしい唄があったためにテルーをヒロインにしたのではないかと思います。

 

原作においてテルーの容姿はもっと酷く描写されていますが、映画では少し顔にやけどのような後が残っている程度にされているのもそのせいからではないでしょうか?

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原作者は?

ただ原作者であるル=グウィン氏はこの映画「ゲド戦記」を鑑賞して痛烈にこの作品を批判したことでも話題となりました。

 

ル=グウィン氏はこのようなコメントを残しています。

「これは私の本ではなく、あなたの映画です。良かったと思いますよ」

このコメントから見ても原作者が「自分の作品とは全くの別物で、同じとして扱って欲しくない」という思いが伝わってきます。