ハクどん

いずみいずみ

こんにちは。今回は、大人気キャラのハクについてです。

「千と千尋の神隠し」のハクといえば、「元祖壁ドン」だとか、「千尋の心をつかむテクニックがすごい」とか「かっこいい」とか「かわいい」とか、とにかく女性に大人気なキャラクターです。

あまりに好きすぎて、ハクの妄想イラスト描いたり、フィギュア作ってしまったり、毎日ハクを見なければ落ち着かないなんて人もいたようですが・・・。

2001年の公開から15年。当時の勢いは落ちついたものの、テレビ放映されるたびに再燃するハク人気には驚いてしまいます。今回はそんなハクのあれやこれやに迫ります。

スポンサードリンク

「千と千尋の神隠し」のハク、なぜそんなに人気があるの?

images

わたしも含めて女性がこの「千と千尋の神隠し」を観るばあい、十中八九、千尋に感情移入して観ます。

引っ越しで仲よしの友だちと別れなければならなかった千尋。いやいやながら新居に引っ越すとちゅうに迷い込んだ不思議の国で、千尋は自分の保護者である両親がそろって豚になってしまうという、とんでもない事態に直面します。

 

しかも船から変なものが降りてくるし、自分の体は半透明になるし・・・。

「うそ・・・夢だ、夢だ! さめろさめろ、さめろ!

さめてぇっ・・・。

これは夢だ、夢だ。みんな消えろ、消えろ。消えろ。

あっ、あっ、透けてる! 夢だ、ぜったい夢だ!」

こんな感じで千尋はほぼパニックになっています。

 

そこに颯爽とやってくるのが、少し前にチラリと顔を出したハク。2度目の登場です。

 「怖がるな。私はそなたの味方だ」

「口を開けて、これを早く。この世界のものを食べないとそなたは消えてしまう」

「大丈夫、食べても豚にはならない。噛んで飲みなさい」

「もう大丈夫。触ってごらん」

「ね? さ、おいで」

大ピンチに陥っているヒロインを一瞬にして救ってくれたハク。

 

女性ならここで完全にハクが王子さまに見えているはずです。

 

この先もハクは女性の心をがっちりキープします。

12歳という見た目の幼さのわりにキリッと引き締まった目元、大人びた口のききかた、ときに突き放したような態度を取るかと思えば、優しいところも見せる。

 

しかも謎めいた面もある。ハクの態度のひとつひとつが、千尋ならずも女性の心をとりこにする言動のオンパレードです。

ハクがホストなら、さぞかし売れっ子になるだろうと、バカな妄想さえしてしまいます。

そんな大人気のハクの声優は?

ダウンロード

ハク役はオーディションで当時13歳の入野自由さんが抜擢されました。

入野自由さんは4歳から劇団ひまわりに所属する俳優。声優としての活動も多く、映画「千と千尋の神隠し」(2001年)でハク、ゲーム「キングダムハーツシリーズ」(2002年)でソラ、テレビアニメ「終わりのセラフ」(2015年)で百夜優一郎など。

 

ハク役が決まったとき、子どもながらに緊張したのを覚えているとか。じつは入野自由さん、ハク役を収録した後にすぐ声変りしてしまい、今はもう当時のハクの声は出せないそうです。

 

ハクって映画の中ではけっこう大人びたイメージで、とても13歳の少年が演じているとは思いませんでした。それだけお上手だったってことですね。驚きです!

謎の多い少年ハクの正体は?

images (1)

名作には謎がつきものです。「千と千尋の神隠し」では、言ってみればトンネルの向こうの世界がすべて謎だらけなんですが、とくに目を引くのがハクの存在です。ハクの正体が少しずつ明らかになっていく様子を追ってみましょう。

油屋の従業員はだれもかれも人間嫌いです。

 

ハクと一緒に千尋が橋を渡ろうとしたときも、つい息をして人間だとばれて大騒ぎになりました。

湯婆婆と契約を交わし正式に働くことになっても「人間は困ります」とか「人臭くてかなわん」とか。釜爺やリンですら最初は嫌そうにしていました。そんななか、ハクだけは最初からずっと千尋に好意的です。

 

どうしてでしょうね?

 

それに、ハクは従業員たちから「ハクさま」と呼ばれ一目置かれています。

でもそれは表面上だけで、じつはあまり好かれていないのが分かります。リンはハクについてこんなふうに言っていますね。

「またハクかよ! あいつ時々いなくなるんだよ。噂じゃさ、湯婆婆にやばいことやらされてんだって」

物語が進んでいくと、ハクは白竜の姿で登場します。

ハクの過去

ダウンロード (6)

なぜか千尋はその白竜がハクだとすぐに分かります。これも不思議ですよね。息も絶え絶えな白竜を見て、湯婆婆の姉・銭婆がこう言います。

 「竜はみんな優しいよ。優しくて愚かだ。魔法の力を手に入れようとして妹の弟子になるなんてね」

だんだんハクのことが分かってきましたね。

ハクは魔法の力を手に入れようと湯婆婆の弟子になったんですね。

 

でも、どうして魔法の力がほしかったんでしょう?

 

湯婆婆の部屋の穴から落ちた千尋とハクは釜爺のいる部屋の床に叩きつけられます。

ハクは血だらけ息も絶え絶えです。ここでようやく釜爺がハクのこれまでの経緯を詳しく教えてくれます。

 「ハクはな、千と同じように突然ここにやってきてな。魔法使いになりたいと言いおった。ワシは反対したんだ、魔女の弟子なんぞろくな事がないってな。聞かないんだよ。もう帰るところはないと、とうとう湯婆婆の弟子になっちまった。そのうちどんどん顔色が悪くなるし、目つきばかりきつくなってな」

こうしてハクの謎を順に追ってみると、 「千と千尋の神隠し」という作品の特徴がここにとてもよく表れていると思えます。

そして、大ヒットの秘密がここに隠されているのではないかと思うのです。

 

この作品は、物語の流れのほとんどが千尋の目線を追った形で描かれていて、千尋の感情をていねいになぞるように流れていきます。

だから観客は、主人公の千尋になりきってすんなりと物語世界に入り込むことができるのです。

ハクと千尋

ダウンロード (5)

ハクとの関係でも、

最初は見知らぬ少年に警戒し、

助けてもらって安心し、

今度は心を開こうとしたら「ハクさまとよびなさい」とぴしゃりと言われて傷つき、

いろんな人が話すハクの情報を積み重ねることでハクのことを理解していきます。

 

いくつもの段階を経て、少しずつ千尋がハクを受け入れていく心の動きがよく分かりますね。

このあと千尋は、傷ついたハクを今度は自分が助けようと行動する展開になるのですが、ここまで千尋の気もちをていねいに表現しているからこそ、観客はムリなくその展開についていけるのですね。

 

クライマックスで千尋は、自分が幼い日に川でおぼれたことを思いだします。そして、その川の名前も同時に思いだします。

「その川の名は・・・その川はね、コハク川。あなたの本当の名は、コハク川!」

雷に打たれたように驚くハク。

白竜の姿はじょじょに消え去り、人間の姿のハクが現れます。

 

このときのハクの目がとても優しくなっているのに気がついたでしょうか?

 

湯婆婆に奪われた自分の名前を思いだし、湯婆婆との契約から解放された瞬間です。

「千尋、ありがとう。私の本当の名は、ニギハヤミコハクヌシだ」

ダウンロード (1)

自分の名を取り戻し自由の身になった二人が、涙を浮かべながら手をとりあって空を落ちて行く名場面です。

 

ここまで来て、ようやく千尋(と観客)はハクの謎に追いつきました。ハクは千尋が小さい頃におぼれた川の神さまだったんですね!

二人は現実世界で会ったことがあったので、それでハクは最初から千尋に好意的だったんですね。

 

千尋の一人称でハクの謎を追う形で展開していくシナリオは、観客の心をしっかりつかむ優れた手法だと思います。

「魔女の宅急便」も同じように主人公キキの心の揺れや成長をたんねんに追っていますね。

 

「となりのトトロ」では目線がサツキになったりメイになったりしますし、「もののけ姫」では基本はアシタカ目線ですが、サン目線になったりエボシ御前目線になったりと広く取って展開させています。

ハクの本当の名前「ニギハヤミコハクヌシ」を分析してみる

ダウンロード (2)

千尋が思いだしたとおりハクは「コハク川」の神でした。古来より川や水の神は竜として描かれることが多いので、ハクが竜の姿に変身するのはすんなり腑に落ちます。

 

ここでは、ハクの神さまとしての名前「ニギハヤミコハクヌシ」をひもといてみましょう。

 

「ニギハヤミコハクヌシ」という神さまの名前は、日本神話に登場する「ニギハヤヒノミコト」をベースに考えられていると思われます。

「ニギハヤヒノミコト」は、日本書紀では「饒速日命」、古事記では「邇藝速日命」と記されています。

どちらも「ヒ」は「日」の字を当てていますが、「ニギハヤミコハクヌシ」では「ヒ」を「ミ」つまり「水」に変えた神名と推測できます。

 

つまり漢字で書けば「ニギハヤミ」の部分は「饒速水」、または「邇藝速水」となるのでしょうね。

 

問題は「コハクヌシ」の部分の表記です。

ネットでは多くの方が「琥珀主」と書いています。

中には「琥珀」の王偏を取れば「虎」「白」に分解でき、これを逆から並べれば「白虎」になると説明している方も。

 

川の神さまで竜の姿をしてるのに白虎?

と、わたしにはこの説、どうも違和感があります。

千尋のセリフからハクを考察

ダウンロード (3)

ここで、千尋がハクの名前を思いだしたときのセリフをもう一度。

「ハク、聞いて。お母さんから聞いたんで自分では覚えてなかったんだけど、わたし、小さいとき川に落ちたことがあるの。

その川はもうマンションになって、埋められちゃったんだって・・・。

でも、今思い出したの。

その川の名は・・・その川はね、コハク川。あなたの本当の名は、コハク川!」

コハク川は「マンションになって埋められる」ていどの小さな川だったことが分かります。

そして、銭婆がハクのことを「白竜」と呼んでいます。このことから「ハク」=「白」なのだと想像できます。

 

この2点から「コハク川」は「琥珀川」ではなく「小白川」なのではないか?

と、わたしは思います。

子どもが川遊びをしそうな、住宅街の近くにある、せいぜい2メートルほどの幅の小さな川だったのではないかな、と。

 

「ニギハヤミコハクヌシ」に漢字を当てれば「饒速水小白主」、または「邇藝速水小白主」。

これがハクの神名なのではないかと思います。「速水」ですから、きっと小さくても流れの速い川だったんでしょうね。

 

そして「白」とついていることから、きっときれいな川だったのでしょう!

 

ところで残ってしまった謎

「どうしてハクは魔法の力を欲しがったのか?」

これについて、さらっと考えてみましょう。

ハクが魔法の力を欲しがる理由

ダウンロード (4)

守護する川がなくなってしまい現実世界で行き場をなくしたハクが

湯婆婆の魔法の力を手に入れて

それで、なんとかできないかなぁって思ったんじゃないか。

 

わたしはそう思います。

 

それをさして銭婆は「愚かだ」って言ったんじゃないかな、と。

 

「魔法の力に頼らずに、自分の力でなんとかしなければダメなのに」

と、そう言いたかったのかもしれないな、と。

 

みなさんはどう思いますか?

 

謎を残すのが千と千尋と神隠しが名作である理由なのかもしれませんね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

関連記事
「千と千尋の神隠し」のハクのその後は? 最後は八つ裂きになるって本当?

いずみいずみ

いずみでしたー♪