映画「もののけ姫」には、得体の知れない生き物が数多く登場しますが、中でも一番わけのわからないものが「シシ神」と「こだま」でしょう。

今日は、その「こだま」の正体について考えみたいと思います。

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「もののけ姫」を語る上でなくてはならない照葉樹林の森と「こだま」たち?

「こだま」が最初に登場したのは、崖から川に落ちた甲六と、それを助けたアシタカが会話を交わすシーンでのこと。

「ここにもこだまがいるのか?」と、ほっとした様子のアシタカに対して、甲六は、「こいつらがシシ神を呼ぶんだ」とずいぶん恐れをなしています。

 

この二人の会話から、「こだま」は、トトロのように子供にしか見えない存在ではなく、少なくともアシタカが生きる時代にあっては、誰でも目にすることができるものであることがわかります。

 

でも、これって何なの?

一見、手塚治作品にしばしば出てくる「ひょうたんつぎ」にも似ていますが、その数の多いこと!!

こだま

「こだま」は漢字で書けば、「木霊」。つまり、木の精霊ですね。だとすると、トトロと同じ類のキャラクターだということになりますが、トトロよりずっと原始的なイメージが付きまといます。

 

これは、「こだま」が太古の森に住み着く精霊だからかもしれません。太古の森とは、つまり、照葉樹林です。屋久島なんかにある、湿度の高い常緑広葉樹林ですね。

こだまともののけ姫の深いい話

宮崎監督は、文化人類学者の中尾佐助さんらが唱えた照葉樹林文化論に深く感銘を受けていて、「もののけ姫」が製作されていた当時、度々この照葉樹林がもたらす文化とその範囲について語っています。

 

わたしも専門家ではないので、あまり詳しくはないのですが、照葉樹林というのは、日本南西部から遠く中国の雲南省あたりまで広がっている植生で、ここに共通した文化が見られるというのが、照葉樹林文化論の骨子です。

屋久島※屋久島

宮崎監督は、この照葉樹林文化論と出会ったことによって、自分の中にある資質が、日本国というせまい枠組みにとらわれないもっと大きなものであると感じたようです。

そして、その照葉樹林文化と対比するナラ林文化圏の住人として、蝦夷一族のアシタカやタタラ場で製鉄を営むエボシといったキャラクターを登場させています。

 

この照葉樹林文化論には多くの異論もあるようですが、「もののけ姫」に描かれている対立の構造、

すなわち

シシ神の森がタタラ場の人間たちによって破壊されていくという構造は、照葉樹林文化とナラ林文化の対立というか対比を象徴したものになっています。

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で、当然のごとくモロや乙事主が怒るわけです。

「黙れ!!小僧!!」(モロたん)

「人間どもに思い知らせてやる!!」(乙事主くん)

お二方とも、熱いんですよねえ。まるで、松岡修三さんみたい。(; ̄ー ̄A

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