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本作品は宮崎吾郎監督の第二作目。舞台は1960年代の日本。

 

これから東京オリンピックを控え、日本中がある種独特のエネルギーに満ちていた時代が背景となっていて、本作品でもその時代にリンクした音楽が挿入歌として選ばれています。

 

また前作の「ゲド戦記」に続き手嶌葵さんが主題歌「さよならの夏〜コクリコ坂から〜」や、いくつかの挿入家で再び歌ったことで話題になりました。

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「コクリコ坂から」に挿入された歌について

今回は主人公である海と俊と、カルチェラタンを巡る話が中心に進行し、とてもテンポ良く映画に入り込みやすい作品だったように思います。その大きな要因として挙げられるのは主題歌を含め、場面場面に挿入された歌がとても効果的だったこと

 

少し切ない主題歌「さよならの夏〜コクリコ坂から〜」や、坂本九さんが歌った「上を向いて歩こう」、また宮沢賢治の詩がベースとなった歌「紺色のうねりが」。

 

どの歌もその場面にとても馴染んでいました。そんな「コクリコ坂から」に挿入されたそれぞれの歌を紹介してみました。

主題歌「さよならの夏〜コクリコ坂から〜」はカバー曲

本作品の主題歌「さよならの夏」は元々テレビドラマで歌われていた主題歌で、その当時は森山良子氏が歌っていました。その曲をカバーという形で「ゲド戦記」に続き手嶌葵さんが歌っています

手島葵さんはどんな人?
ジブリ”ゲド戦記”「テルーの唄」を歌う手嶌葵。歌の意味や素顔は?

 

「テルーの唄」もそうだったのですが、手嶌さんの歌は今回も素晴らしくこの「さよならの夏」も、本作品から浮かぶ情景と、また昭和というノスタルジックな雰囲気がよく伝わってきたように思いました。

 

歌の中にある「光る海にかすむ船はさよならの汽笛をのこします。ゆるい坂をおりてゆけば夏色の風にあえるかしら」という歌詞はまさしくこの「コクリコ坂から」を描いているようで、作品全体としてもよくマッチしていたと思います

テンポ良い朝とテンポ良い秀逸な唄「朝ごはんのうた」

本作品の中で個人的に気に入っているのは冒頭に始まる「朝ごはんの歌」。海が無駄の無い動きでコクリコ荘のいつもの一日が始まっていく場面と手嶌葵さんが歌うこの歌がとてもマッチしていて、すっと映画の世界に入りこめました。

 

海のテキパキした動きで作られている朝ご飯と、次第に皆が食卓に集まって「いただきます」が始まっていく流れは、とても秀逸な冒頭シーンだと思いました。

 

また、その朝のちょっとした一日の流れだけで、海やコクリコ荘で暮らす人たちのことが雰囲気として伝わってきました。この「朝ごはんの歌」はゲド戦記の主題歌「テルーの唄」と同じく宮崎吾郎監督と谷山浩子さんのコンビで、歌い手が手嶌葵さん。

 

テルーの唄に引き続き3人のコンビネーションがまた良い一曲を作り上げています。

昭和の名曲「上を向いて歩こう」と「白い花の咲く頃」

「コクリコ坂から」は1960年代の日本が舞台。そんな時代に流行した曲がいくつか挿入されています。

 

日本を代表する歌謡曲「上を向いて歩こう」は海が夜ご飯の買い出しに出かけようとした時に流れ、そして偶然通りかかった俊と出会い、海は俊の自転車の後ろに乗って2人が坂道を駆け下りていきます。

 

自転車の2人乗りと坂道と、お肉屋へ行って俊が海の横でコロッケを二つ買う場面、そしてその風景が「上を向いて歩こう」の曲にぴったりと合っていて効果的だったと思います。

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白い花の咲く頃

また男子文化部施設「カルチェラタン」の討論会において、議論がエスカレートして生徒同士がもみくちゃになったとき、ある生徒が先生がやってくる合図をすると生徒会長の水島が背を正し独唱を始めます。

 

その時歌ったのが「白い花の咲く頃」。

 

これは昭和初期の時代に流行った岡本敦郎さんが歌った曲で、水島の独唱に続きカルチェ存続派も反対派も一緒になって歌を歌い、様子を見にきた先生をうまくかわします。

 

昭和に生まれた名曲たちが映画の中でとても効果的に使われていますし、良い歌というのはいつの時代になっても色褪せずに残っていくものなんだなぁと改めて実感しました。

カルチェの存続を決定づけた歌「紺色のうねりが」も素晴らしい

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本作品の終盤、解体に傾きかけたカルチェラタンを救うため、海、俊、水沼の三人は学校の理事長である徳丸氏に輝きを取り戻したカルチェを見てもらうために直談判。

 

そして徳丸氏はカルチェに足を運び、その魅力に触れていきます。そんな中、生徒達が学校の校歌のように歌ったのが「紺色のうねりが」。

 

紺色のうねりがのみつくす日が来ても水平線に君は没するなかれ」と手嶌さんが歌い出し、生徒が続いていきます。

 

声は違いますが、こんな歌↓

最初に聞いたとき、これはこの学校の校歌なのかと思いましたが、この歌は宮沢賢治の詩をベースとして作られた歌。作詞は宮崎駿氏と宮崎吾郎氏、作曲は谷山浩子氏。

 

メロディはいわゆる学校の校歌のようですが、詩は港町横浜を舞台とあってか「紺色のうねり」「水平線」など海をモチーフにしたことばが使われています。

 

校歌のようでありながらもその力強く、そして逆境に挫けない若々しいエネルギーが合唱から感じられてきて、映画の徳丸氏同様、私も思わず目をつぶり聞き惚れてしまいました。そしてカルチェラタンは存続することになったのでした。

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