主題歌を歌うセシル・コルベルは、フランス出身のミュージシャンです。ジブリ映画の大ファンという彼女ですが、ジブリとは何のゆかりもない人でした。その彼女が「借りぐらしのアリエッティ」の主題歌を歌うことになったいきさつを調べてみました。

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まずはプロフィールをご紹介

セシル

1980年、フランス北西部・ブルターニュ地方、フェニステール出身。

父親が版画家で母親が画家という芸術家の両親のもとに生まれました。

 

 

幼い頃から家のアトリエにあったレコード・プレイヤーでクラシック音楽やシャンソンなどを聞いて育ったそうです。

思春期にケルト音楽に傾倒し、地元の音楽学校でハープを習いはじめます。

 

アーティストへの道

その後、その後大学へ進学し、考古学を学びながらハープの弾き語りでアーティスト活動を開始。

ベース、ギター、チェロなどを従えてフランスをはじめヨーロッパ各地で演奏し、多くの人を魅了しています。

 

 

また、言語に興味をもち、フランス語だけでなく、ブルトン語、ゲール語、英語、ドイツ語、スペイン語でも歌っています。

2005年にファースト・アルバム『Herpe Celtique & Chants Du Monde』をリリース。2006年に『Song Book 1』、2008年に『Song Book Vol.2』と作品を発表。

 

本作「借りぐらしのアリエッティ」では、主題歌「Arrietty’s Song」とサウンドトラックを担当しています。

ジブリ映画起用のいきさつ

セシル・コルベル

セシル・コルベルは、アルバムを作ったときにプロモーションをかねてCDを送るのだそうです。

『Song Book Vol.2』を作った時、ラジオ局、やコンサートを企画している人とかのリストとは別に、お世話になった人などをまとめた「感謝リスト」を作って、最後になぜか“ジブリ”と入れたのだとか。

 

 

彼女自身、ジブリ作品から大きな影響を受けていて、ただありがとうって気持ちを伝えたくて、自分の住所なども書かずにスタジオジブリにCDを送りました。

 

ジブリとの奇跡の出会い

一方、日本では主題歌をどうしようと困り果てていました。

そのとき鈴木敏夫プロデューサーの元に1枚のCDが届きます。封をあけたらその中に小さい紙に書かれた手紙が入っていて、英語で「私の新しいアルバムです。曲はすべてジブリ作品に影響を受けています」と書いてありました。

気になって聞いてみたら、聞こえてきたのがケルティッシュハープの音色。「この世界だ!」と、米林監督を呼んできて聞かせてみたら、監督もイメージにぴったりだと。その後はトントン拍子で話は進んでいきます。

 

 

突然メールの差出人に〈ジブリ〉ってあるの見て飛び上がって驚いたセシル。

 

ジブリの神対応

住所を書いていなかったのに、わざわざ自分を探して連絡をくれたジブリに感動したそうです。

そりゃそうでしょう、憧れのジブリからのオファーですから。ジブリではこのように偶然に物事が決まることがけっこうあるそうですが、まさに赤い運命の糸が結ばれていたのでしょうね。

 

 

主題歌だけでなく、劇中の音楽も担当しているセシル。

 

 

出来上がった映画を見て

「自分の音楽に合わせて登場人物が動くのを見たとき、絵の中に存在していた人物が急にリアルに感じることができました。その瞬間に立ち会えたことはすごく貴重な体験でした。」

と語っています。

ケルト音楽とジブリ映画との共通点

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ファンタジー作品にケルト音楽は見事に調和します。アリエッティの原作者メアリー・ノートンはイギリスの作家。

イギリスはもともとケルト系の民族が住んでいた土地であり、ケルト文化が根付いていることからファンタジー作品が多く生まれたのだと言われています。

 

 

小人が登場するこの物語の音楽をセシルがやることになったのは当然かもしれません。

セシルもインタビューで

「ジブリ作品と故郷のケルト文化には共通点がたくさんあると思っているんです。自然のなかに宿る精霊、神秘的な森、環境を守って共生していかなければならない人間と自然の関係ですね。」

と語っています。

 

 

楽曲制作にあたっては、米林監督が各場面、各登場人物の気持ちを短い詞にまとめくれたものを用意してくれたそうで、そこからアリエッティの世界観のイメージを膨らませて感じるままに制作していったそうです。

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主題歌「Arrietty’s Song」(アリエッティソング)日本語・英語・フランス語バージョンを聴き比べてみました。

「Arrietty’s Song」には日本語・英語・フランス語で歌ったものがあります。言語がちがうと曲の印象も少し違ってきて、聴き比べてみると面白いです。

日本語バージョン

皆さんが一番耳にしたバーションがこれですね。ちょっと舌っ足らずの日本語の発音がセシル・コルベルの透明感のある歌声に合わさって甘い感じがします。

「日本語の歌詞でうたったデモテープを送ってもらい、それを何度も聴いて、耳から聞こえたものを発音して歌いました。」

とセシル。

英語バージョン

セシルの英語の発音は優しいですね。

フランス訛りだからもしれませんが、彼女の声自体が楽器のようで、歌詞が流れるように耳に入ってきます。

フランス語バージョン

母国語で歌っているからでしょうか、すごくしっくりきます。

こちらのバージョンを主題歌として使っても全く違和感ありません。いや、フランス語バージョンは個人的にかなり好きです。