ジブリ声優

ジブリ作品の新作が発表されると、毎回注目されるのが声優の出演者である。最近は、プロの声優より映画やテレビで活躍する俳優の起用が多く、ジブリ作品にキャスティングされるとことが、一種のステイタスになっているように思える。

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ジブリ映画の声優は、いつから俳優やタレントを起用するようになったか?

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アニメの声を担当するのはプロの声優たちだ。それは今も変わらないが、ジブリ映画は俳優やタレントを起用することが多い。いや、最近の作品では主要キャストはほぼ俳優がキャスティングされている

 

宮﨑駿監督の初期作品、「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「紅の豚」「魔女の宅急便」の主要キャストはプロの声優が声を担当している。

それでも「天空の城ラピュタ」では、“目が、目がぁ~”のセリフが有名なムスカを寺田農、女海賊ドーラを初井言榮が演じ、強い印象を残している。

 

さらに強い印象を残したのは、「となりのトトロ」のサツキとメイの父親の声を演じた糸井重里だろう。

ジブリ作品のコピーを担当していた彼が、芝居経験なんてまったくないのに起用されたのは驚いた。じつは、父親役を糸井にオファーしたのは宮崎監督自身である。

「声優さんの声をいろいろ聞いてみたんですけど、みんな、あったかくてね。子どものことを全面的に理解している父親になりすぎちゃうんですよ。三十そこそこの親父がそんなになるはずないんだ。それで、これはどこか別のところから人を連れてこなくちゃいけないって話になりましてね。糸井さんがいいっていったのは、ぼくなんです。」

(出典『出発点 1979~1996』宮崎駿 以下同様)

と語っており、ここにジブリ作品の声優が、プロの声優から俳優へシフトしていった理由が隠されているのではないか。

そして、「もののけ姫」から宮崎作品の声の主要キャストは完全に俳優へシフトチェンジし、「崖の上のポニョ」のポニョと宗介の声は実年齢の子供が演じている。

 

他のジブリ作品はどうだろうか。高畑勲監督、宮﨑吾朗監督、米林宏昌監督の作品も主要キャストの声は俳優やタレントが演じている。

「下手!ひどい!」の声に対して、ジブリが俳優たちにこだわる理由

宮崎駿

宮崎作品を見ていて、時々感じていたことがある。声を演じる俳優とキャラクターとの微妙なズレだ。宮崎監督は、以前から声優の声優らしい声の演技に不満があったという。

「映画は実際時間のないところで作りますから、声優さんの器用さに頼っているんです。でもやっぱり、どっかで欲求不満になるときがある。存在感のなさみたいなところにね。特に女の子の声なんかみんな“わたし、かわいいでしょ”みたいな声をだすでしょ。あれがたまらんのですよ。なんとかしたいといつも思っている。」

また、「となりのトトロ」で糸井重里を起用した理由として、

「あの声は不思議でいいんじゃないかってね。不思議でいいっていうのは変だけど・・・・ぞんざいなところがいいんですよ。ぞんざいっていうものまた変だけど」

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宮崎駿が声の演技に求める“ぞんざいさ”とは?

そのように答えているが、はたして監督が言う“ぞんざい”とは何なのだろうか。

ぞんざいとは、”いいかげん・適当・なげやり”といった意味だ。

 

人々の生活の中の会話のやりとりをよく聞いていると、意外と雑なのがわかる。感情が高ぶった時も、滑舌のいいセリフをまくしたてるTVドラマのようなやりとりはしない。もっと滑稽だ。

宮崎監督が求めるのは、この“リアリティ”ではないだろうか。作品自体はファンタジーなのに、声の演技に求めるのはリアルさ。作品を見ていて感じた違和感の正体は、このアンバランスだったのだ。

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